ProxmoxからUnraidへVMを移行する作業は、ディスクイメージのコピーだけでは終わりません。ファームウェア、TPM、ディスクコントローラ、ネットワークモデルのいずれか一つでも食い違うと、起動段階で止まります。実際に7台を検討しながら整理した手順です。
最初に確認すべきはBitLockerとTPMの使用有無です。Windows 11系でTPM 2.0ベースのBitLockerが有効になっている場合、復号キーを確保していない状態での移行はデータ損失につながります。
ProxmoxのデフォルトストレージはLVM-thinです。Unraidはqcow2ファイルベースなので、形式変換が必要です。元を触らずコピーで作業するのが原則です。
# Proxmox ホスト上(VM 停止状態)
qemu-img convert -p -O qcow2 \
/dev/pve/vm-105-disk-0 \
/mnt/backup/vm-105-disk-0.qcow2
# Unraid の domains 共有へコピー後
qemu-img info vm-105-disk-0.qcow2 # virtual size の確認
変換後、virtual sizeと元のプロビジョニングサイズが一致するかを必ず確認します。qcow2はsparseなので、ファイルサイズ(df)とvirtual sizeが異なるのが正常です。
| 項目 | Proxmox | Unraid対応 |
|---|---|---|
| ファームウェア | SeaBIOS / OVMF | i440fx-7.2 / q35-8.1 |
| ディスクバス | virtio-scsi / SATA | virtio / SATA |
| ネットワーク | virtio | virtio-net |
SeaBIOSでインストールされたVMをq35 + OVMFに変更すると起動しません。元のマシンタイプをそのまま合わせるのが最も安全です。OVMFを使う必要がある場合(例:TPM 2.0、Secure Boot)は、別途EFIパーティションを準備する必要があります。
Unraidのアレイはパリティ演算のため書き込みが遅いです。VMディスクは必ずキャッシュプール(NVMe)に置き、キャッシュはミラーで構成することを勧めます。
キャッシュが単一NVMeだと、そのディスク1台が全VMのSPOFになります。実際に検討対象だったシステムもキャッシュがミラーでなかったため、改善項目として挙げました。